マレーシアの医療制度

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マレーシアは日本と異なり国民皆保険制度や介護保険制度もありません。また、病院やクリニックも日本とは違い、政府系病院と民間病院との間にはっきりとした線引きがされています。政府系病院はマレーシア国民であれば1マレーシアリンギット(約30円)で、外国人であれば15マレーシアリンギット(約450円)で外来受診をすることができます。これには診察から薬代まで含まれています。公的な仕組みとしては公立病院(政府系病院)を通して安価な医療提供と税による病院への費用保障によって医療制度が完結しているようにみえます。しかし、安価で受けられるため待ち時間は大変に長いようです。利用者は主にマレーシア国民なのですが、国民の民間医療機関利用へのシフトも起きているようです。


 

一方、外国人はたいてい民間のクリニックや病院を利用するケースが多いようです。また日本と異なる点は、イギリスの医療制度の影響を受けてGP制を採用している点です。GPとは一般医のことを意味し、軽い病気やけがの場合はまずはGP(一般医)での受診となります。そこで対応しきれない場合は専門医での受診が勧められます。軽い風邪などで民間のGPクリニックで診断を受けた場合の診療費と薬代は合計で50マレーシアリンギット(約1,500円)程度です。民間の病院での診察代はそれぞれの病院によって異なりますが、上限額をマレーシアの保健省が定めているため、その範囲内での受診が可能です。


また、国民皆保険制度が無いため、民間の医療保険に加入している人も多いようです。ローカルの医療保険会社や日本を含め海外の医療保険会社もマレーシアで事業を展開しているので、様々な医療保険からご自分に合ったものを選択することが可能です。ただし、海外旅行保険ではなく、一般の医療保険に加入するためにはマレーシアでの就労ビザ(Employment Pass)を取得している必要があります。